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世界遺産・興福寺は平城遷都(710)にともない、現在の場所に移築され1300年の時を重ねています。
中世には大和一国を支配する権勢を誇り、
また文化・芸能・食の発展においても重要な役割を果たしました。
特に能楽や清酒(醸造技法)の進歩に大きく貢献しています。
戦国時代になると衰退の兆しを示しますが、それでも21,000石という知行を維持し面目を保ちます。
しかし、幕末から明治維新時にかけての興福寺は神仏分離や廃仏毀釈の影響を受け、
伽藍の大半を失いました。
明治初年には無住(住職不在)、そんな逸話も残る苦難の時代でした。
現在の興福寺は、境内地約2万5千坪を有し、「天平の文化空間の再構成」を合言葉に、
享保(1717)の大火で失われた中金堂の再建(2018年落慶)をはじめとし、
仏像や堂塔の保存修理を精力的に行っています。
来年度からは明治三十三年(1900)以来の五重塔修理にも着手いたします。
本講座では興福寺のあゆみとこの先の課題や展望についてお話をいたします。
第4回 興福寺五重塔令和大修理 その4
興福寺の宗派は?宗祖は?境内の広さは?国宝の数は?
全て答えれる人はさほど多くはないでしょう。
法脈はインドから中国を経て連綿とつながり、西遊記で知られる玄奘三蔵に宗(法相宗)の原点があります。
また宗祖は玄奘三蔵の弟子にあたる慈恩大師という方です。
奈良時代にもたらされた唯識の教え(興福寺の教学中心)は、伽藍繁栄(明治時代以前までは北は奈良県庁や裁判所、南は奈良ホテル近辺までが寺域であった)とともに、ますます興隆します。
そしてそのことを象徴する空間が境内北西にある北円堂です。堂内に安置される弥勒如来、無著・世親菩薩像は、法相教学を体系化したことで知られ、興福寺の精神的根幹であるだけではなく、三尊とも国宝に指定される貴重な宗教財です。
第4回は守伝えられた堂塔、文化財(国宝仏像所蔵件数日本一)、教学について語ります。
こんな方へおすすめ
- 興福寺や奈良に興味がある方
- 日本の歴史や文化に興味がある方
- 日本の伝統建築に興味がある方
- 神社仏閣に興味がある方
講座概要
日時
持ち物
- マスク
場所
東京都港区新橋二丁目4-1
JR新橋駅より徒歩3分
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