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和歌―やまとうた・わか・ウタ―はわずか5・7・5・7・7の31音に凝縮された短詩型文学です。
なかでも一千有余年の歴史を越え、今日まで脈々と伝わるのが『古今和歌集』です。
春の花、秋の紅葉をはじめとする四季や恋心のうつろいが日本の心とことばの規範として示されます。
時は平安時代、延喜5(905)年に醍醐天皇に命による国家の一大事業として編纂され、
『枕草子』や『源氏物語』など日本文学史上にもその名を残します。
この歌集にかかわった撰者・紀貫之らは「和歌とは何か」に対峙し、全20巻1100首余りを収集しました。
ここには何がどのように表現されているのか。
日本の豊かな風土の上に醸成された思想と表現は現代人にも通じる教養です。
今回は全4回にわたり考察と紹介をいたします。
第1回 和歌とは何か、なぜいま和歌か―先行きの見えない今、見えない心を読み取るために―
4月20日(土)10:30~12:00
『古今和歌集』の編纂という一大事業は、この歌集に付された仮名序に始まります。冒頭の「やまとうたは~」から何を読み取ればよいのでしょうか。海外・大陸から多くを学び、さらに凌駕しようとする姿勢をみると、時代を越えた現代に至る日本にも通じるところでしょう。和歌とは何か、〈ウタのチカラ〉とは何か。第1回は日本の心とことばにあふれる『古今和歌集』の仮名序に示された和歌や歌人を時節の和歌を紹介し誘ってまいります。
第2回 「六歌仙」なる先人をどう評価したのか―先輩への忖度と自己主張の葛藤―
5月18日(土)10:30~12:00
仮名序に示された「六歌仙」はいわば撰者・紀貫之らの先人たちです。先人に敬意を表しつつ、そこを乗り越え、新たなウタを作り出す姿勢が貫之ら歌人には求められています。一方、『古今和歌集』の一首一首は往時のことばと心が読む側の想像をかきたて、大きな魅力となりますが、その和歌をいかに並べるか―いわゆる「配列」―も大いに工夫がされています。想像から創造へ。第2回目は『古今和歌集』の「六歌仙」と配列や型などを考察しつつ時節の和歌を紹介し誘ってまいります。
第3回 四季と恋―自己中心的とはいわせない、目配りと気配りの余裕― 6月15日(土)10:30~12:00
『古今和歌集』の二大テーマとなるのが四季と恋です。いずれも時の流れとともにうつろいゆくところが相通じるところですが、四季には循環性があるのに対し、恋は人生の一部として不可逆性があるのかもしれません。第3回目は自然と人事を二大テーマとした『古今和歌集』から四季の代表的な歌ことば「桜」・「紅葉」を含む和歌をあげ、和歌史の流れの中に置くアプローチの方法と他者への意識、そして現代人との位相差を考察しつつ、時節の和歌を紹介し誘ってまいります。
第4回 生と死のはざま―他者とのなかの自分流― 7月20日(土)10:30~12:00
人事としての恋はまだ相手を十分に知らない段階の和歌から始まります。この恋の思いを自ら吐露するのも和歌ですし、思い人に思いを届けるのも和歌。一方で恋は必ずしも成就するものばかりではありません。『古今和歌集』には恋の終焉もさらには人生の終焉も示されています。人生の終焉―死―を考えることは日々の営み―生―を考えること表裏一体とすれば、この歌集は生きとし生けるものの多くの人生が凝縮されています。個や集団とのつながりのなかに存在した和歌の示す心とは何か。第4回目は恋や死、個と集団さらに心を表明することについて考察しつつ、季節の和歌とともに誘います。
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こんな方へおすすめ
- 日本の古典文学に興味がある方
- 和歌に興味がある方
- 日本語に興味がある方
- 日本の歴史や文化、風習に興味がある方
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